B&W 705S2 Signatureレビュー

     

公開日:2021.01.19

     

最終更新日:2021.01.20

先日書いた通り、スピーカーは長らくVictorのSX-V1-Mというものを使って(おいて)いました。このスピーカーの鳴り方がかなり特殊で、非常に独特な響きをするため愛用していたのですが、しばらくの間全く火を入れずにいたためにウーハーのエッジ部分が固まったらしくビビるようになってしまいました。レストアも考えたのですが、ちょっと業者が見つからず、いい機会だからと新しく購入しようと思ったわけです。とりあえずざっと調べてみて、ペア10万円前後のもので良さそうなのが色々とある中WharfdaleのREVA2というスピーカーがデザイン的に好みでした。ただし既に生産終了らしく、試聴できる環境がなさそうなので除外(実際にはアキバのヨドバシであったのですが、試聴はできませんでした)。次に候補にしたのが同じくWharfdaleのevo4.1と、B&Wの606S2のAE707S2でした。evo4.1についてはこれまた試聴できず、606S2AEと707S2とをまずは試聴。結果、606と707との間には越えられない深い溝がありました。606だとウーハー、ツイーターとの繋がりが悪く、音楽を聴いている気分になれないなぁ、と。これが707だと全然違う。ツイーターの質と、ウーハーとの相性なりネットワークの出来なりが良いのでしょう、非常に心地よい音を出してくれる。惜しむらくは、606に比べるとウーハーの径が違うため低音の出方が若干弱い。ということで706S2を聴いてみると、確かに低音の量が違っていて素晴らしい音でした。ただ、自部屋は6畳なので実際問題としてはそんなに気にならない可能性があります。ここは持ち帰ってじっくり考えることにしました。ついでにELAC、DALIとFocalのスピーカーも試聴してきました。ELACのスピーカーは中々良さそうでしたが、B&Wの音の傾向の方が好み。DALIは大人しい訳ではないのですが、ちょっと平板に感じてしまってどうも好みではありませんでした。何よりELACとDALIとはデザインが好みではなかったです。毎日顔見るものですから、その辺りも大事なポイントかと。Focalは物凄く中域が厚くボーカルの押し出しが強い。どちらかと言えばSX-V1にも近い感じですが、どうも作られれた音のような気がしてしまい、パスすることに。その後はB&Wの700シリーズにすることにほぼ決め、後は707S2か706S2とで低音の質・量についてどちらが好みかを色々と考えました。この両機種を数日聴き比べ、またトールボーイの703S2と704S2とを聴き比べることでウーハーサイズによる好みを確認。結論として、やはり165mmの方が圧倒的に好みだと思いました。ちなみに703S2と704S2との差は大きいと思いました。704S2はトールボーイの割に近接距離でもきちんとまとまった音の出方をするし、全体的な音のつながりが706S2と同じく素晴らしいです。一方、703S2だと近接距離ではいかにもトールボーイでございという感じで、かつ少し線が細い。706S2と707S2の差よりもでかい気がしました。ということで、ほぼ706S2に決めたのですが、比較のために705S2805D3とを聴いてみることに。この2機種はトゥイーター・オン・トップと言って、ツイーターがエンクロージャーの上にちょこんと乗っているスタイルです。今まできちんと聴いたことがなく、その意味があるのかしらと訝しく思っていましたが、聴いてビックリ。音の拡がりが全然違う。そのくせ、全体の音像は706S2と同じく非常に良く繋がっている。とは言え、価格差が非常に大きい。特に805D3はペアで90万円近いので流石に無理。一方の705S2は約30万円と、無理すれば何とか行けるかな、という感じ。この両機種の差ですが、個人的にはそこまでないという印象。音の拡がりは805D3の方が良いものの、全体的なバランス、繋がりの点では寧ろ705S2の方が好みという感じ。使いこなせば805D3の方が良いのでしょうが、流石に分不相応だというのと、その値段出した上に不満点が残るのは嫌なので705S2を何とかして買おうと決定しました。ただ、試聴環境がヨドバシカメラの何とも雑然とした環境だったのでもう少し他の環境でも確認しないと後悔する可能性があると思い、後日ビックカメラでもう一度606S2AE、707S2、706S2、705S2とをじっくりと聴かせてもらいました。結果、やはり今までの試聴結果の印象と同じだったのですが、なぜか705S2と706S2との差があまり感じられませんでした。棚に並べて置かれている上に、ツイーターの位置が耳よりもかなり高いため少し聴いただけではよくわからないのかなと思い、この2機種をもう一度じっくり聴き比べしました。そこでふとお店の人(D&Mの販促の方)に705S2にはもう1種類Signatureモデルがあってこちらの方がさらに繋がりが良いよ、と言われ聴いてみることに。存在自体は調べていたので知ってはいたのですが、元々705S2ですら考慮に入れていなかった関係で殆ど気にかけていなかった機種です。ところが聴いてみると、明らかに無印705S2とは違う、印象に残る音がする。当然低域の量感としては絶対的に出ない領域はありますが、そこから上、高域に至るまでの出方が本当に素直に鳴る。劣悪な設置環境ですらここまで違いがわかるのですから、自部屋である程度きちんと設置したら間違いなく良さそうだという考えに決まってしまいました。これなら805D3と比較しても個人的には不満点が少ないスピーカーだなと思いました。そうは言っても高い買い物には違いなので、一度持ち帰りじっくりと検討することにしました。帰ってネットで検索したところ、値段は兎も角在庫を持っているお店が非常に少なく、結果としてヨドバシのネットで即納できそうだったので注文し、年も押し迫った12/29に配達されました。

B&W 705S2 SignatureとVictor SX-V1-M

数日ほぼ24h音を流しっぱなしにしてエージングを行い、1週間ほどでお店で聴いたような繋がりが出てきました。現在約1ヶ月経って、耳も慣れてきてますます気持ちの良い音を出してくるようになりました。とは言えまだまだ音は変わっていくのでしょう。ただ現時点でもほぼ思っていた通りの音を出してくれています。高域は澄んだ感じではありますが、600シリーズのように耳につくような刺々しさや線が細いこともない上、余計な響きも付加されません。ボーカル域は少し引っ込んだ感じが設置当初はあったもののきちんと出るようになってきましたし、艶も載っている。このあたりはもう少し時間が必要な感じです。

低域はお店での試聴時には弱めかと思っていましたが、あに図らんや、かなりの量感があります。後面バスレフなので設置や部屋によってブーミーになりやすいのですが、幸い後ろ、横ともに約45cm離して設置できている関係上きちんとタイトな低音が出ています。時間が経ってウーハーの可動域が広がって膨らんでくる傾向があればバスレフに詰め物をしようかと思いますが、今のところボワつく感じはないです。ただバスレフポートから埃が侵入しやすそうに見えるのが気になります。。部屋が6畳間で、スピーカーの反対側は全面クローゼットなので、スピーカに対して正対して聞ける時はクローゼットを全開にすると後ろからの反射音がなくなってスッキリした気持ちのいい音になりますし、仕事中で横向きでBGMとして流すときはクローゼットを閉めると良い塩梅で音が跳ね返ってきてステレオ感が出ます。音像はちょうどスピーカーを結んだ線上あたりか、少し後ろあたりにきっちり定位します。音量にもよりますが、前に前に出てくるタイプではないようです。クラシックを少しボリューム上げて聴くと気持ち良いですね。B&Wはどちらかというと分析的に聴く人向けのモニターライクなイメージがあったのですが、少なくとも705S2 Signatureに関しては音楽を気楽に楽しむのにも向いたスピーカーだと思います。

高い勉強代になったらどうしようかと思っていましたが、全くの杞憂に終わり非常に満足しています。もちろん安い価格ではないですが、その価値は十分にある素晴らしいスピーカーだと思います。

ちなみにB&Wの705サイズのものだと低域受け持つのはウーハーではなく、ミッド/バスですね。

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